
株式会社ヘラルボニー(本社:岩手県盛岡市、代表取締役社長 松田崇弥・松田文登、以下ヘラルボニー)は、2025年8月1日~8月31日の1カ月間、丸亀町グリーン株式会社が運営する香川県高松市の商業施設「丸亀町グリーン」にて、施設内の広場をアートとグリーンで装飾する空間デザインをプロデュースしました。
この取り組みは、障害のあるアーティストの作品がアイコンとなり、施設を訪れる多様な客層にとって、施設利用中に安心して休憩をとることができる憩いの場所を提供することを目指しています。
■プロジェクト概要
“Arts Around Green”をテーマに、異彩を放つ作家のアートで館内を彩るプロジェクトをヘラルボニーがプロデュース。施設の中心にある、シンボルツリーを囲むようにして人々が回遊できる「けやき広場」を香川県在住の作家・片岡健氏によるアートを施した懸垂幕とシェードで装飾しました。けやきのグリーンの下、ゆったりと休息を取ることが出来る椅子を併せて配置し、ただ美しいだけでなく、広場を回遊するさまざまな人が「ここにいていい」「ちょっと休んでもいい」と感じられるような、心の居場所の提案です。

■プロジェクト背景
丸亀町グリーンがターゲットとするのは、次世代都市生活者。特定の年齢や性別に訴求するのではなく、ファミリー層からアクティブシニアまで幅広く「日常を楽しく過ごすこと」に関心の高い人々により豊かな滞在時間をご提案することを目的としています。
そうした中で、情報感度が高いヤングファミリー層からは、滞在中に気軽に休憩が取れる場所があれば嬉しいという声がありました。「ちょっと休んだりするもの(場所)があれば、もっと長く(施設内での)時間を過ごすことができたと思う。」これは実際の利用客の声です。瀬戸内の島々を舞台に3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」は、現代アートの祭典です。芸術祭を目的に瀬戸内地域を訪れる方々に高松市へもお越しいただけるきっかけとなるよう、高松市内の商店街再生モデルとして注目を集める「丸亀町グリーン」にて、異彩を放つ作家のアートを軸にした新たな空間の提案が生まれました。
そこで障害の有無やジェンダー、世代などあらゆる「ちがい」をリスペクトし、「ちがいは、いろどり」であると唱えるヘラルボニーが異彩を放つ作家のアートを用い、誰にとっても優しい、憩いの場所を手掛けました。
小さなお子様連れの方、ご高齢の方、障害がある方やそのご家族。いずれも「休む」という選択肢を選べるようになることで、もっと外出の機会を増やし、アクセスしたかった場所に行くことができるようになる。これまでありそうでなかった「休むこと」を目的とした広場を、ヘラルボニーが目指す未来の姿のひとつとして、丸亀町グリーンに実現しました。
これは施設コンセプトである「育むまち」にも合致するもので、住む、集う、遊ぶ、学ぶ、憩うという営みを異彩を放つ作家のアートで彩った特別な空間を体感いただけます。

本プロジェクト起用アーティストの片岡健氏



■アート=居場所とする空間設計

行き交うあらゆる人に向けて「休んでいいよ。」のアイコンになるのは、異彩を放つ作家のアート。そこへ、NappingChair(ナッピングチェア)=日中の短い休憩やリフレッシュのための睡眠を取ることができる場所を配置し、小さな子どもであれば休憩や昼寝もできる空間が完成しました。
これは、株式会社乃村工藝社による空間デザイン協力及び、乃村工藝社が提案するNappingChairの実証実験により実現しました。
NappingChairは、幼児期の子どもがお出かけ先で眠くなったとき、寝かせておける場所が乏しいという課題を元に開発されたチェアです。主に、ベビーカーを使わなくなる4-6才児を対象とし、気軽にお昼寝(ナップ)を取れるような設計がなされています。この時期の子どもたちは少しのお昼寝でも体力が回復します。このチェアでナップを取って元気になり、家族のお出かけをより長く楽しんでもらうことが目的です。

■ヘラルボニーと乃村工藝社との取り組みについて
ヘラルボニーと乃村工藝社は、2022年より空間づくりを通じて誰もが互いを認め合える未来を推進するための共創を進めてきました。その一部をご紹介いたします。
・国際アートアワード「HERALBONY ART PRIZE」での協賛トークイベント
ヘラルボニーと乃村工藝社が目指す誰もがお互いを認め合える未来 | 空間と体験の可能性を追求するメディア「nomlog(ノムログ)」 | 株式会社乃村工藝社
・ハイアット セントリック 銀座 東京 とのコラボレーション「HERALBONY ART ROOM」
ノムラセンサリーフレンドリープロジェクト
ヘラルボニーとハイアット セントリック 銀座 東京の初コラボレーション | 株式会社ヘラルボニーのプレスリリース
・展覧会での空間デザイン協力
乃村工藝社が空間デザイン協力 展覧会「ヘラルボニー/異彩のみらい」 好評開催中 | 株式会社乃村工藝社 / NOMURA Co.,Ltd.
■起用作家・アート


片岡 健
Takeru Kataoka
(香川県高松市・ぼだいじゅ)
繊細に描くことは難しいが、筆や画材を強く握り、力強く自由に腕を動かして、のびのびとアートに取り組む。言葉ではなく表情で喜怒哀楽を表現して、笑顔が素敵な「癒し系」な存在。みんなの笑顔と笑い声が大好き。「はたらくのりもの」、「電車」、「お笑い番組」などを見ながら声を上げて笑う姿に周りのみんなも笑顔に。
※作品タイトルは不明です。タイトルを記載する際は「タイトル不明」と表記してください。
<STAFF>
ビジネスプロデューサー:伊藤琢真(ヘラルボニー)
クリエイティブディレクター:桑山知之(ヘラルボニー)
プロジェクトマネージャー:岡志津(ヘラルボニー)
空間デザイン:谷清鳳・大栁友飛(乃村工藝社)
シェード制作:桐きよみ・新居英子(川島織物セルコン)
スチール撮影:近藤拓海