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株式会社ヘラルボニーは、障害の有無に関わらず「誰もが異彩を放つ社会」を目指す取り組みとして、契約作家の確定申告に関する情報をまとめた「個人作家報酬ガイドブック」をタスキー税理士法人と共に作成。2026年2月7日には個人事業主・副業に特化した確定申告アプリを提供する株式会社タックスナップと「確定申告サポートイベント」を開催しました。
ヘラルボニーは、主に知的障害のある作家が生み出すアート作品の著作権を管理し、その作品を企業やブランド、公共空間などで活用するライセンス事業を中心に展開しています。作品のライセンス収益の一部は作家に還元され、確定申告を行う作家も増えてきました。
そのような背景から、障害のある作家が税制および社会保障制度にスムーズに向き合うための実践ガイドブックを策定すると同時に確定申告の実務にも伴走することで、創作活動に集中できる環境を整えることを目指し、誰もがチャレンジできる持続可能な土壌を社会に広げていきます。
取り組みの背景
確定申告の仕組みそのものは、障害の有無によって内容が変わるものではありません。しかし障害のある方にとっては確定申告実務の難しさに加え、収入を得ることで生じる税制や社会保障制度への影響が極めて複雑に絡み合います。そのため、これらの正確な情報にたどり着くこと自体に大きな障壁が存在し、制度を円滑に利用するためには、多大な時間とエネルギーを要するのが実状です。
【障害のある作家が必要とする情報の例】
・本人が収入と支出の管理および確定申告をすることが難しいため、家族が代行せざるを得ないが、どのように考えたら良いか。
・B型就労継続支援施設に通いながら著作権収入を得ていることがどういった取り扱いになるのか。
・著作権収入を得たことによって、障害年金をはじめとした社会保障制度にはどのような影響が出るのか。
通常、個人事業主に関連する税制や社会保障制度に関しては、自身で調べたり専門家や自治体の窓口に相談したりすることで容易に正確な情報にアクセスすることが可能ですが、個人事業主としての活動に「障害」という要素が入り込むことによる税務・社会保障上の特殊な論点に関して検討が必要となった前例はほとんどなく、専門家や行政の側にも対応ノウハウが十分に蓄積されていない現状があります。
そこで今回作成した「ガイドブック」は、障害のある作家が収入を得た場合に検討する必要がある税制や社会保障制度に関するポイントを整理し、作家本人およびその家族、支援者、専門職がこれまで存在していなかった「必要な情報にアクセスできる基盤」となることを目的としています。
タスキー税理士法人による確定申告サポート
ヘラルボニーでは、障害のある作家の創作活動実態について理解のある税務顧問「タスキー税理士法人」協力のもと、2025年分の確定申告を対象としたサポート制度を約1年間にわたり展開してまいりました。
本確定申告サポート制度は、一般的な税制のほか障害のある作家に特化した税務論点を解説した全体説明会から始まり、作家活動を行う中で生じた疑問を確認する中間相談会、実際に確定申告の完了までサポートする申告実践会から構成されています。
個人作家確定申告ガイドブックの公表
確定申告サポートを通じて、契約作家の税金や所得に関連する悩みに向き合うなかで、特定個人に限定されない共通の課題が複数あることが分かりました。
そこで、タスキー税理士法人とともに、障害のある作家が著作権収入を得て所得が生じた場合、税制や社会保障制度にどのような影響が生じるのか、その際どういった手続が必要になるのかを調査し、体系的なガイドブックとして取りまとめました。本ガイドブックは今後ヘラルボニーの全契約作家向けに公開しております。
本ガイドブックを障害のある作家の税や社会保障に関する情報の橋渡し役として活用いただくことで、作家を取り巻く社会インフラサイドにも適切な理解が醸成され、作家が安心して創作活動に取り組むことが出来る環境が整えられることを期待いたします。

ガイドブックの一部抜粋
※本ガイドブックは税制や社会保障制度の概要を情報提供の目的で整理したものであり、個別の税務判断や制度の適用可否を助言・保証するものではありません。具体的な事項については税理士等の専門家や各自治体の窓口にご相談ください。
タックスナップとの確定申告サポートイベントの実施

オンラインとオフラインでハイブリッド開催されたサポートイベントの様子
ガイドブックで整理した情報をもとに、よりスムーズに確定申告の実務を行えるよう、確定申告アプリを提供する株式会社タックスナップと共創し、契約作家とご家族向けのサポートイベントを2026年2月7日に東京都内で開催しました。

難しい会計知識を必要とせず、直感的な操作で確定申告が完了する手順を体験
「この支払いは経費になるのか?」「勘定科目は何にすれば良いか?」といった経費処理の判断や、初めて出会う会計用語に戸惑って作業がストップすることをできる限り減らし、安心して申告作業が進められることを体感いただいたタックスナップの実践コーナーでは、「長時間を要していた集計作業が手軽になる」「ハードルが高いと思っていた作業が簡単にできて驚いた」という声が上がりました。
※参考情報 障害のある作家の確定申告は、誰がやっているのか? ヘラルボニーとタックスナップが「作家のご家族」への確定申告支援を開始 | 株式会社タックスナップのプレスリリース
多様な人々が活躍できる社会を目指して
ヘラルボニーが目指す未来は、「ガイドブックが不要になる社会」の実現です。法律や制度にアクセスするまでの障壁を取り除き、障害の有無に関わらず多様な人々が活躍できることを目指して、今後も課題を可視化すると同時に解決策を社会に提示してまいります。